2012年03月03日

Vol.64

2月7日に神奈川県主催の「事業者のための個人情報保護講座」を受講いたしました。

当日は悪天候にも関わらず、定員80名をはるかに上回る人数が参加し、各事業者の個人情報保護法への関心の高さが伺えました。

講座は奥津茂樹氏(NPO「情報クリアリングハウス」理事)を講師に迎え、個人情報保護法の概要・必要性・対象となる範囲・管理などについて、実際にあった事例を交えての興味深い内容でした。

❏個人情報保護法の概要
個人情報保護法は主として民間の事業者を対象とするものです。しかし、法の対象となる「個人情報取扱事業者」は、5,000人を超える個人データを継続的に管理・利用する事業者に限定されます。例えば、1,000人の顧客データと100人の従業員データを持つ事業者の場合、計1,100人なので「個人情報保護法」の義務規定の対象にはなりません。しかし、法の基本理念に基づいて個人情報の適正な扱いが図られなければならないとされています。

❏個人情報保護・管理の必要性
「ひとり暮らし」「資産がある」など、個人のプロフィールを様々な面から表現したものが個人情報です。その為、その情報が流出すると犯罪に悪用される恐れもあります。
実際に盗難・紛失・悪用された例をいくつかあげると・・・

≪盗難事例≫
○2007年 行事参加者150人分の住所・氏名・電話番号などの入ったノートパソコンが事業所から盗まれた。
⇒原因・・・個人情報をノートパソコンに保存しないよう定めたルールがあったが、それが守られなかった。

≪紛失・流出事例≫
○2007年 介護保険利用者51名分の個人情報(住所・氏名・生年月日・電話番号など)を記録したUSBメモリーが盗まれた。
      ⇒原因・・・USBメモリーの適正な管理・保管について徹底が不十分であった。
○2007年 病院患者の情報(氏名・診療費の支払額)9,951人分がインターネット上に流出した。
      ⇒原因・・・委託先の従業員が使用していたファイル交換ソフト「Shere」が、ウイルスに感染していた。

≪犯罪への悪用事例≫
○2004年 神奈川県内のガソリンスタンドで約7,000人分の伝票を盗み、そこからカード番号・ローマ字の氏名・有効期間の情報を利用し、インターネットで商品を購入。
○2004年 長野県の有線放送農協の加入者名簿を入手し、これをもとに高齢者3人を強殺。
○2005年 信販会社の個人情報(クレジットカード番号・有効期限・氏名・住所など)を入手し、インターネットショッピングで商品を購入し、買取業者に売却。

以上のように、流出した個人情報が犯罪にまでは至らなくとも、事業者は顧客への連絡や謝罪広告などの事故処理に追われます。また、裁判でずさんな管理の責任を問われる場合もあります。
裁判費用や敗訴になれば慰謝料など事業者の経済的な損失は少なくありません。いずれも適正な管理をしていれば不要なコストがかかることもありません。
 
そして何よりも個人情報のずさんな管理によって顧客の信頼を失うことが、事業者にとって最大の損失です。内閣府の世論調査(2006年公表)によると、71%の市民が個人情報の漏洩に不安を抱いています。このように体感不安が高いため、個人情報の管理の良否は事業者に対する評価に大きな影響を及ぼすといえます。


❏対象になる個人情報の範囲
そもそも個人情報とは何でしょうか?
これについて日本の制度では個人識別型で定義しています。
具体的な例としては・・・

○本人の氏名
○生年月日、連絡先(住所・氏名・電話番号・メールアドレス)、会社における職位、又は所属に関する情報について、それらと本人の氏名を組み合わせた情報
○防犯カメラに記録された情報等、本人が判別できる映
  像情報
○特定個人を識別できる情報が記述されていなくても、周知の情報を補って認識することにより特例の個人を識別できる情報
○雇用管理情報(会社が従業員を評価した情報を含む)


❏管理・対策
パソコンの利用が広まるなかで、事業者のパソコンデータの盗難・紛失事例が急速に増えています。
これらの具体的な対策を含めた個人情報取扱いのポイントとして以下の項目が挙げられます。

○事業所内でデータ持ち出しの原則禁止と、例外的に持ち出すときの手続きと注意事項を定め、周知徹底する。特にUSBメモリーの取扱いに注意が必要。
○事業所内部における利用実態を把握し、アクセス制限やウィルスチェックの徹底などパソコンや記録媒体のセキュリティ対策を強化する。
○日常的に個人情報が記録された書類と他の書類との分別を徹底し、個人情報が確実に廃棄されるようにすると共に、裏紙の再利用等による外部流出を防ぐ。
○顧客や利用者の視点で利用目的の記載内容を読み返し、どのような個人情報を何のために利用するのかが解る表現となっているか否かをチェックする。それが過剰反応に対する対策としても重要なポイントとなる。


今回の講義を受け、個人情報保護法対策は法律対策ではなく顧客のためにやることなのだと改めて意識させられました。また実際の事例を交えた話というのは、やはり身近なこととして感じられました。
日常業務の中で、ともすれば忘れがちになるルールの見直しや意識の大切さを再確認し、今後の業務の中で活用していきたいと思います。

因みに当社では個人情報遺漏に対する損害賠償の担保として損害保険に加入し、種々の法人企業との斡旋代行業務の中でテナントより定期的に店内個人情報資料の保管で確認受けておりますので、同程度の規模の斡旋業者より保護システムは整っていると自負しております。
                       
                                                              (記 総務課 原田 純子)

posted by アーバンの太郎と花子たち at 11:49| 2012 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月03日

vol.63

平成23年10月7日、神奈川県中小企業家同友会主催の「新入社員フォローアップ研修」に参加させて頂きましたので、ご報告致します。

今回の研修は、今年4月に入社して6ヶ月経った社員のフォローアップを目的としています。入社から半年が経ちますと、仕事にも慣れ会社の雰囲気もわかり、目標や新たな不安も生まれてきます。今年4月の「新入社員研修」にも参加している方がほとんどでしたので、目標や不安を皆で討論し共通のものにしていくことで、今後に繋げていきたいという思いで参加致しました。



研修のテーマは「働くとはどういうことか」ということで、参加者は、今年入社した新入社員50名。8グループに分かれて講義を聞き、グループ討論の内容を模造紙にまとめて発表するという研修内容でした。最後には半年後の自分へのメッセージを発表して研修は終わりました。
まず午前中は、経営者からの問題提起。叶口と潟Wャパウィンの2社を経営する水口社長の講義がありました。お話の中で、皆さんは今、大変ですか?という問いに、殆どの参加者がうなずきました。「“大変”というのは“大きく変わるとき”。だから今はとにかく頑張ってください」今はまだ大変だと感じることは少ないですが、もし今後大変だと参ってしまうことがあったら、その時は“大きく変わるとき”だと乗り越えていければと思いました。

講義の内容を踏まえて、「入社から半年を通して気づいたこと、学んだことはなにか」についてグループ討論を行いました。私のグループでは、以下のことが挙げられました。

まず「言い訳は時間の無駄」ということです。反省するのは大事ですが、いつまでも引きずっていては、今後の仕事に支障が出ます。注意されたことや自分の間違いは素直に受け入れ、すぐに切り替えて改善策を考えることが最善だと考えました。

次に「スケジュール管理の重要さ」「ホウレンソウの大切さ」です。学生時代と違って、1日の時間が過ぎるのがとても早く感じるとグループ全員の意見が一致。仕事もある程度任され自分の判断で進められるようになったが、途中で他の仕事が入ってきたときには、自分で優先順位を判断するのがまだ難しい状況です。もしトラブルが起きたらなど、先を見据えて余裕を持ったスケジュールを立てることが必要です。また、判断力を身に着けることも必要です。判断が難しいときやアドバイスが必要なときには、無理に判断しようとせず、上司に相談をするなど「ホウレンソウ」も大事であると考えます。


午後は先輩社員からの問題提起。皆CC内田様の講義では、働く上で大切なことは「感謝すること、約束を守ること」。働くやりがいは「認められる喜び、成長する喜び」だと言っておられました。約束を守るというのは簡単なようで難しいことです。コピーやFAXなど、どんな小さな頼まれ事でもきちんとやり遂げる、それを続けることで小さな信頼が積み重なって、大きな信頼に繋がり仕事を任せてもらえるようになるのではないかと思います。

同友会の同期の方々とは業種も職種も異なりますが、失敗談や成功談など色々な意見交換をし、とても良い刺激を受けました。今、任されている仕事の数は少ないですが、その仕事に対して私は誰よりもできる自信があります、任せて下さいと胸を張って言える様、日々学ぶ姿勢で取り組みたいと思います。ここまでしかできないと自分で範囲をきめて可能性を狭めてしまうのはもったいないです。失敗から学ぶこともあると思います。失敗していなかったら気づけなかった課題や自分の欠点があるかもしれません。できれば失敗は避けたいですし、もちろんないほうが良いですが、まずは失敗を恐れずに多くのことに挑戦し、経験を増やしていくことが今の課題だと感じました。


(記 新横浜法人営業室  皆川あゆみ)

posted by アーバンの太郎と花子たち at 11:24| 2011 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月13日

Vol.62

〜 賃貸管理実践セミナーを受講して 〜
           
◆消費者契約法とは・・
宅建業法があるが、不動産業にも適用される。
消費者(借主)と事業者(貸主)の契約に限定
(法人は事業者、借り上げ社宅は事業者となる)
「借主に重たい特約は無効」→あまりにもひどい特約は無効!

◆遅延損害金  14.6%迄それを超える部分は無効
(民事なら5%になる。借主が事業者なら30%でもOK)

◆更新料・・・論点「消費者の利益を一方的に害するもの」であるか否か(23/7/15)

◆賃料の補充ないしは前払い、賃貸借契約を継続する為の対価等の収支を含む複合的な性質を有する。(色々な理由の下に更新料を取っている・・・が)

◆情報の質及び量並びに交渉力の格差その他諸般の事情を総合考慮して判断
更新料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らして高額すぎる等特段の事情がない限り有効(あまりにひどい契約は無効になる)→更新料は「消費者の利益を一方的に害するもの」ではないので有効である。

今後の方針(借主とトラブルを起こさない為に)
1. 極端に高額な更新料は定めない。
(1年更新なら、1ヶ月、2年更新なら2ヶ月が上限)
2. 募集広告に明確に記載する
3. 重説・契約書に具体的に明確に記載する
4. 重説以外にも更新料について、明確な説明書を添付する。
(賃料の前払い、補充、賃貸借契約の対価など。例えば「めやす賃料」等もよい)
5. なぜ更新料を取るのかを十分説明し、納得してもらう努力をしてもらうことが求められる

◆敷引特約
H23年3月24日敷き引き有効判決(論点)
1. 貸主の自然損耗の原状回復費用の回収と、敷き引き特約の関係
2. 家主は家賃を取りながら敷き引きすると、自然損耗の回復費の二重取りになるか?
3. 自然損耗の原状回復費用の回収を敷き引きという定額控除で行うのは合法か?

判決
・賃料とは別に敷き引き特約が合意されたときは、自然損耗の補修費用は賃料に含まれないと判示した
・家賃以外に敷き引き名目で徴収しても礼金・更新料・敷き引きなどその全体としての徴収額が多額にならなければ消費者契約法10条により無効とはならない。

⇒トラブルを回避するためには、契約時に・・・以下をを守ると良い
※注1 @ 自然損耗は貰わない
     A 壊したものは直す(壊したかどうかの判断基準 別表要)
       B 「敷引きはします」と明記
       C キチンと契約書・重説に明記する。
       D 特約を有効にするために、費用を明記しておくこと。 


◆「原状回復費用回復をめぐるトラブルとガイドライン」の再改定版
○ 店舗・事務所以外に適用(居住用のみ)・・ただし事業用でもケースにより類推される。
○ ガイドライン自身、明確な特約があれば原則として、その特約に従うべき事を解説している。 
したがって借地借家法や消費者保護法に違反しなければガイドラインより特約が優先する。(クロスの残存価値を2割3割に約定したらどうなるか・・。裁判になる可能性大ですが、やってみるのもあり!との事でした。)
○ トラブル未然防止の為、借主、貸主双方が、原状回復に関する条件をあらかじめ合意する事が大事


よくあるQ&A事例
Q. 更新1週間またいで退去。更新料は取れるか?
A. そもそも本来民法(借地借家法)では・・
借主から6ヶ月前通告で解約する事が出来る。通告がない場合、法定更新となり、期間の定めのない契約となる。その場合、3ヶ月の予告で解約する事が出来る。
期間満了1週間前に解約を申し出た場合、即時解約金を支払い退去する事が出来るので要注意! 更新をまたいで退去の場合は、更新料を取っても良いが、免除してあげた方が良いのでは。

Q&A 税法上の問題・・・300万の保証金で退去時100万償却の場合、所得として計上するのは退去時ではなく、契約時の所得となる。更新時に10%ずつ償却の場合は、更新しないこともあるので、更新時の所得となる。

Q. 敷金償却+退去時のクリーニング費用をもらう事は有効か?
A. 特約に明記されていればOK!

Q.  故意過失を現金でもらい、その後リノベーションに充てた
A.  トラブルを避けるため、@金銭で支払う。改装しても異議申し立てをしない。と借主と取り交わしておく

※東京ルールとは、ガイドラインはこのように言っているが、本契約に於いては○○である。と明記する書類のことである。(必ずガイドラインによらなくてもよい)
※ハウスクリーニング代は原則無効にはならない。(トラブルにならないようにするためには家賃の半額くらいが妥当)
※実際問題、退去の修繕費が足りなくなる→ A. やはり、トラブルを避けるため、敷金2ヶ月、1ヶ月償却の契約が良い。

Q. 礼金をもらうのはOKか?   → A. 家賃以外のものをもらう事OK


セミナーを受けて (仲介業者として)
@ トラブルを避けるための事前の対応が必要。
A 裁判に於いて・・不当に消費者の利益を害する事は良くない。バランスを見て、妥当だと思われるものは、特約を明記してあれば、有効となりうる。
B 関東での賃貸契約は、消費者契約法に触れるものはあまりないので、契約時にきちんとした説明、契約書の取り交わし、契約内容を理解してもらう努力が必要である。
C その為に、特約の明記、契約時の明確な説明(東京ルール・めやす賃料等)、退去時の精算金
・単価表等を契約時に添付する事等が必要。

今後は・・・・
@ 全物件に、「東京ルール」「めやす賃料」を付けていく。
A 特約に前述の※注1を明記していく事が良いと思われます。

(記  新百合ヶ丘店管理担当  西川 美野里)

posted by アーバンの太郎と花子たち at 11:16| 2011 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月08日

vol.61

相続支援研究会の受講レポート


〈 相続税の税務調査の事態について 〉

ここ数年、税務調査実績が報告される度にクローズアップされている項目が「申告漏れの課税価格と追徴課税」の2点で、申告漏れは平均約3,400万円、追徴課税は約780万円であると言われている。相続開始から10ヶ月以内に現金納付したにも拘らず、追徴課税とはショックも更に大きい事だろう。この徴税集団である税務署が申告漏れの相続財産で最大ターゲットにしているのが、申告漏れ金額がなんと約1,400億円もある 「現預金」である。
税務署側に立って考えてみると、シナリオ通りの方程式と言ったところなのだ。

では、どんな申告書が税務調査の対象になるのか?
 

@税法適用の誤りや、計算誤りが見受けられること
A生前所得の状況と比較して金融資産の申告が少ないこと
B家族名義の預金等のチェックや申告が行われていないこと
C家族名義の資産の方が本人名義の資産よりも多いこと
D財産評価の資料等に不備があること
E課税価格が3億円を超えていること
F同族会社の株式の異動があるのに、贈与税・所得税の申告がないこと
G相続開始前に異常な額の出金があり、申告に反映されていないこと
H同族会社との取引があること

税務署は職権で7年分は遡って銀行の通帳確認ができるので、不審な資金移動は間違いなく追及される覚悟が必要で、逃げが効かないようだ。

更に、税務署は以下2点を基本軸に税務調査対象となるようなので、該当する場合は予め事前準備が必要だ。

 @財産が3億円以上であること 
 A金融資産が1億円以上であること

 

〈 税務調査が入った時の質問内容とその狙いについて 〉

税務調査では緊迫状態が想定され、税務署員に要らぬ事も話してしまう恐れがあるので「ガチガチお口チャック」となるのだが、普段の会話から徐々にリラックスしてくると緊張感が無くなり始める。これが狙いだ。税務署員は話術のプロであり、コワモテな職員ではなく優しい身体の細い弱そうな職員を派遣するので、つい気を許し、色々と話してしまう。更に、被相続人の思い出話になると本題スタートとなる。予想される質問内容は以下の通りだ。

@被相続人の死亡原因について
A被相続人の経歴や職歴について
B被相続人の趣味について
C被相続人の財産は、生前誰が管理していたのか
D被相続人の家族の職業や推定所得について
E郵便局や農協の預貯金等がないか
F相続人の納税資金はどこから捻出したのか
Gその他の金融資産はないか


例えば、被相続人の趣味についての誘導尋問は効果的で、晩年大病で寝たきり状態だと聞いていたが、自宅内に飾られてある旅行先の写真パネルを見て、毎年海外旅行に多額の現金を使っていたのが判明された。ということは、被相続人の銀行通帳から資金移動があったのだとアタリを付け、判明していく話法である。

こうなったら、あらゆる情報提供へと発展していき、安易な対応方法が追徴課税に繋がり、災難な結末となってしまう。事前準備をする為にも、管理会社にまず相談して頂きたいと声を大にしてお勧めしたい。
また、不用意な事を話さないためにも税理士等と顧問契約を締結し、対応することも必要になるだろう。


(記 管理受託課  浦田 大)

posted by アーバンの太郎と花子たち at 14:45| 2011 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月10日

vol.60

「高齢者向け賃貸住宅事業の新たな流れ、方向性について」

財団法人不動産流通近代化センターによる講演がりましたので、その要旨をご報告いたします。

事業者側からの視点ですが、土地の有効活用をお考えのオーナー様には、
テナントを判断するうえで参考になると思われます。


【高齢者向けの住まい、賃貸住宅供給の10のポイント】


@ 高齢者住宅は70歳以上の方が主力の市場である。
現在の高齢者向けの住まい、賃貸住宅市場は70歳代、80歳代の方であり、平均寿命の延びから考えると今後、さらに90歳代の方も主要対象になってくる。

A 高齢者住宅は女性の方が主力の市場である。
入居者は女性70%、男性30%が基本的な市場になっており、女性の方に選ばれる住宅でないと安定した集客、入居は望めないといえる。


B 今後の市場の主要対象は団塊世代の女性である。
現在60歳代である団塊世代の女性が70歳代以上になる10年、15年後の時期が大きなピークとなる事が予想される。


C 健常者向け住宅か、要介護者向け住宅か、ここが高齢者向けの賃貸住宅経営の分かれ道。
介護、医療等への不安感が、住み替えを検討する重要な要素であるが、一方で現在の生活をさらに充実させ、楽しみたいという希望もあり、どの側面に重点を置いた住宅供給を行うか、対象顧客、市場ニーズに即した十分なマーケッティング、検討が必要である。


D 高齢者住宅は、箱貸しの事業ではなく、サービス提供業であり、適切な生活支援サービスの提供、介護、医療のバックアップが不可欠である。

現時点で、持ち家あるいは公的賃貸住宅等の賃貸住宅で安定した居住生活を送っている高齢者の方が、住み替えを検討する大きな要因は、介護、医療、一人暮らし(あるいは夫婦のみの暮らし)に対する不安感を解消したいという事にある。その不安感を解消することを目的とした高齢者の方向けの住宅では、単に品質、設備の良い住宅の供給だけでは不十分であり、ニーズに対応した適切な生活支援サービスの提供、介護、医療等のバックアップ・システムの構築がないと成立しえない。

E 施設型の一律サービスか、本人が選択できるサービスか?
介護付き有料老人ホーム等で供給されるサービスは、介護保険制度の枠内での一律的なサービス内容となる。それはそれで入居者にとっては安心のサービス提供であるが、一方で自分が受ける生活支援、介護保険サービス等の内容は、自分で選択したいと言う希望要望が強まっているのも事実である。高齢者向けの住宅は、この各人の「自己選択」の要望に応えるものでもあるといえ、このニーズに適応したサービスの提供が重要である。


F 介護保険等の行政制度に依存する事業は制度変更等による事業運営のリスクがある事も理解しよう。
介護保険制度による介護報酬の支給、高齢者向けの優良賃貸住宅制度等による建築費・家賃補助制度の活用等は、高齢者向けの住宅を供給しようとする事業者にとって、非常に有益、重要な制度であるが、その行政制度は時機により変更され、あるいは補助機関等の限定された制度である。これらの行政制度を利用した事業経営とした場合には、行政制度の変更等により大きな影響を受け得ることを認識したうえで、事業遂行する必要がある。


G 高齢者住宅は典型的なエリアビジネス、地域密着ビジネスである。
住み慣れた場所で暮らしたい、あるいは子供さん等の親族や親しい友人等が近隣にいるというのが、高齢者の方が住宅を選択する大きな要因となっており、提供しようとする高齢者向けの地域エリアのニーズ、市場動向を十分に把握した事業計画が不可欠である。


H 地域との交流、また多世代との交流も重要なポイントの一つ。
住宅は、建物単独で成立するものではない。高齢者住宅事業が典型的な地域エリアビジネスである事、住み慣れた地域で住み続けたいという高齢者の方の希望が強い事からみても、地域とつながる運営を積極的に図っていくことが入居希望者の安定的確保という経営面からも重要である。また高齢者の方のみしか交流がないという暮らしも、決して自然な暮らし方とは言えない。高齢者の方向けの住宅の中には、保育園等を併設する例、また住宅の中の多目的室を交流の場等として積極活用している例も見受けられる。地域から孤立した住宅ではなく、地域の中に根付いた事業経営が重要であろう。


I 高齢者社会と地域活性化、地域再生への取り組みの可能性について。
高齢者の方の安定した生活拠点の提供をベースに、地域社会そのものの活性化、再生に結びつけている例も見受けられる。高齢者の方向けの住居に止まらず、子育て支援、学童児童の受け入れ場所の提供、障碍者の方の支援等地域に必要なニーズを満たし、さらには雇用の確保にまで結びついている例も見受けられる。今後の高齢者の方向けの事業展開は、地域エリアの各種ニーズをすくい上げ、地域全体の活性化、再生に結びついていく可能性を持っている。


社長  三戸部 啓之

posted by アーバンの太郎と花子たち at 15:55| 2011 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月12日

vol.59

◆家賃取立規制法案と賃貸住宅管理業務者の登録制度について

平成23年4月19日、全国賃貸管理ビジネス協会主催の「賃貸管理経営セミナー」が開催されました。その一部講演として弁護士の江口正夫先生より「家賃取立規制法案と賃貸住宅管理業者の登録制度」に関して解説がありましたので、ご報告致します。


T.家賃取立て法案(賃貸住宅居住安定法案)について
昨年議員立法より発し、参議院を反対“0”の異例の早さで通過した、所謂「家賃取立て法案」(正式名称:賃貸住宅における賃借人の居住の安定確保を図るための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法案)ですが、江口先生も、今年度中の衆議院通過は十分ありえると話されていました。骨子は以下の通りです。
 @家賃債務保証業の登録制度(強制)
 A家賃等弁済情報データベースの登録制度(強制)
 B家賃等の悪質な取立行為の禁止 

1.立法の背景
少子高齢化を受け、人間関係の希薄化により、連帯保証人の確保が困難になり、家賃保証サービスの利用が賃貸借契約の4割を占めるようになってきた。((財)日本賃貸住宅管理協会)これは、もちろん貸主側の防衛意識が働いた結果ともいえるが、それと平行して、入居中の滞納・明け渡しに関する消費者トラブルの相談件数は平成16年対比平成20年で10倍以上増加した。((独)国民生活センター調べ)

従来、家賃債務保証業には何等法的規制はなく、結果、執拗な督促・物件への立ち入り・ロックアウト・動産の搬出といった違法または不適切な事例が発生したと考えられている。

家賃を払わない方が悪い、料金を払わなければ公共サービスも携帯電話だって止められてしまう。なのに、家賃を払わない入居者がなぜ、のうのうと住んでいていいのか?
悪質な滞納者が弱者で、家賃を滞納されている家主があたかも悪徳業者のようにいわれる事には抵抗があります。


現在も違法なドアロックや深夜の督促・鍵交換による締め出しについては、取立て側の不法行為を認定して、入居者側に滞納賃料の支払いを命じつつも、賠償命令が出されています。
従来は不法行為に対し、訴えられれば損害賠償が認められたりしました。しかし今後は違法行為として、懲役や罰則金が科せられてしまうのです。

江口先生は、根本的な考え方として法治国家は「自力救済」を禁止しているからだとしています。
自己の有する権利を、法的手続きによって実現するのではなく、実力の行使によって実現することを禁止しているのです。では、許される処置とは何でしょう、判決という債務名義をもって、法的執行を求めるということです。いよいよ本格的訴訟社会の到来です。
但し、サラ金規制法とは異なり、やはり賃借人の過失を考慮してか、いくつかの除外状況はあるようです。以下項目別に記載します。


2.-1.家賃債務保証業の登録制度の創設
家賃債務保証業(賃借人の委託を受けて賃借人の家賃の支払いに係る債務を保証する事を業として行うこと)を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を受けなければならない。        
登録用件は純資産500万円以上とするそうで、無登録営業は罰則・罰金があり、5年ごとに更新を受ける必要がある。(予定)
また登録制となることで、業務改善命令や監督処分、罰則を受けることになります。

2-2.家賃等弁済情報データベースの登録制度、その運用
家賃債務または家賃債務の保証に係る債務の過去の弁済に関する情報を収集し、家賃関連契約を締結しようとする者
(またはその受託者)に提供する事業を行う。                  

※事業用オフィス・店舗は該当しない
※賃借人が法人である場合、賃借人がサブリース業を行っている場合は適用されない。
家賃等弁済情報提供事業者は国土交通大臣に登録し、情報提供業者より契約にもとづき情報を収集し、利用業者に提供します。この情報は個人情報保護法の適用除外となるそうです。但し、賃借人に対して情報の開示義務と訂正義務が発生します。


2-3.家賃等の悪質な取立行為の禁止 
さていよいよ本題の悪質な取立行為の禁止です。
◆対象物件-居住用住宅(オフィスビル・店舗等は適用外です。)
◆対象賃借人-賃貸住宅の賃借人(賃借人が法人の場合・サブリース業を行う個人の場合は適用外です。)
◆取立行為を規制される者
@保証会社
A貸主
B管理会社(家賃関連債権の取立てを受任した者)
家賃保証会社のみを規制するのではなく、賃貸人や賃貸人から家賃の取立を受託したものも対象となります。
※個人の賃貸人も含まれます。
◆規制される行為
@面会・文書送付・貼り紙・電話等の手法を問わず、人を圧迫すること。
A鍵の交換・物品の持ち出し・不適切な時間の訪問等、人の私生活または業務の平穏を害する言動・行動の禁止
B賃借人または保証人に対して、これらをすると告げる事も禁止
※家賃の取立てのために賃借人に面会を求めたり、文書の送付・貼り紙・電話をかける行為が全て禁止されるわけではありません。
※不適切と認められる時間帯に訪問することが全て禁止ではありません。(当該時間帯以外に連絡をとることが困難な事情または正当理由があるなど)夜10時から朝6時くらいと考えます。但し、拒まれたにも関わらず、連続して訪問・電話をかけることは禁止されています。
※鍵の交換・ドアロックは確実に違法行為です。
※動産類の持ち出しは、持ち出す時に賃借人または同居人の同意があれば可能です。但し、事前に契約書に特約を設け同意を得ていたとしても、搬出・保管・処分が適法にはなりません。
◆罰則
 違反したものは2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金または併用。

今後は損害賠償では無く、刑事罰の対象となります。賃借人側にも過失が有ることが考慮されているとは思われますが、従来行ってきた業務が、即違法と判断される場合が考えられます。各社にて督促に関するガイドラインを設け、手段・方法が相当であると判断される範囲を絶えず確認する必要があると思われます。
また、新規契約時はもちろん更新時にも、契約者の情報を精査し、滞納そのものを排除する注意をし、悪質滞納者に対しては、早期に法的解決策を講じる必要があるでしょう。

U.賃貸住宅管理業の登録制度の概要
さて、もう一点は賃貸住宅管理業の登録制度です。当面は任意登録とされていますが、いずれ登録が義務化される可能性が高い制度です。賃貸管理業者として差別化をアピールできると共に、業務処理細則に従うことで、管理料をいただけない、サービス管理が無くなるというメリットがあります。こちらも
◆対象業者-受託管理・サブリース等の賃貸管理を行う者
◆国土交通省に登録し、登録簿に記載される。指導・助言・勧告を受ける
  登録の有効期間は5年間で更新が必要です。
◆登録拒絶事由として先の「賃貸住宅居住安定法案」に違反したものは登録できないとあります。
◆管理業務-以下の3つの事務またはどれかひとつが該当業務となる
  ○家賃敷金の受領事務  
  ○賃貸借契約の更新事務
  ○賃貸借契約の終了事務
◆「賃貸住宅管理業務処理準則」に従うことが義務づけられます。
 その内容は宅建業法に極めて近い印象です。準則にのっとり、標識を掲げ、毎事業年度に国土交通省に対し、報告義務が発生します。準則にのっとりきちんと説明をすること・必要な契約書面を交付すること等指針が示されます。
 
冒頭事務局より、2011年度は後日振りかえってみると、賃貸管理業にとってひとつのターニングポイントになる年になるかもしれないとお話しがありました。
管理会社としての今後の在り方を決する貴重な一年となるかもしれません。    
                                                                        港北高田店   菅野 美紀代

posted by アーバンの太郎と花子たち at 16:05| 2011 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

vol.58

平成23年4月7日8日の2日間、神奈川県中小企業家同友会の主催する「新入社員研修会」に参加させて頂きました。
参加者は、それぞれ会社も業種も異なりますが、同じ新入社員でしたので、入社に当たりどのような期待や不安を感じているのか、どのような社会人になりたいかなど、意見を知るとてもいい機会になりました。
研修の流れは、5〜6人のグループに分かれてのグループディスカッション形式で、講義を聞いての感想・意見をグループで討論し、模造紙にまとめ、発表するというものでした。


まず、講義を始めるに当たり心得が挙げられました。ここでは、上記のように大事だと思う単語にマークを付けるという作業をしました。ただ全文を読むだけでなく、マークを付けることで、より要点を理解することができます。初歩的ではありますが、とても大事なことだと感じました。新入社員の私には、新しい環境での初めての仕事・知らない事ばかりで見るもの聞くこと全てが大事です。しかし、全てを一度に覚えようとするのは至難の業です。マークを付けるように、要点をメモして整理する作業は、普段の業務でも実践していこうと思いました。


★1日目講義テーマ「社会人としてのマナーとは」
1.オリエンテーション
2.挨拶、お辞儀
3.名刺交換
4.敬語・話し方
5.電話応対
6.グループ討論「本日の研修をどのように活かしていきますか?」


初めに、1人30秒内で「会社名、氏名、季節の挨拶、研修の参加目的」の発表を各グループで行いました。私のグループでは誰一人として30秒でまとめることができませんでした。なぜ、30秒なのか。ビジネスシーンでは、30秒でまとめなければならないという場面がよくあるということでした。例えば、エレベーターに乗った瞬間から降りるまで、この短時間でプレゼンをするなど。なるほど。これから、営業として頑張っていくうえで磨いていかなければならないと感じました。


挨拶、名刺交換、電話応対はペアで練習を行いました。そんなこと知っているよと思っていましたが、実際やってみると“知っているようで知らない”“簡単なようで難しい”というものだらけでした。私ひとりの応対ミスで、会社の株を下げることにもなりかねません。私が新人だろうと相手にとっては○○会社の一人。知らなかったでは済まされないのです。日ごろから挨拶や敬語を意識して、会社の代表であるという意識・責任を持とうと決意をいたしました。


討論では、講義で感じたこと・今後活かしていきたいことを意見交換し、最終的に「マナーとは○」と漢字一文字でまとめ、模造紙で発表を行いました。私のグループは「想」という漢字になりました。マナーを良くするのは、相手に不快な思いをさせないためだという意見にまとまったためです。常に相手の気持ちを想っていれば、自然と良い対応ができるのではないかという結論となりました。


★2日目講義テーマ「社会人に求められるものは」
1.「真摯さとは」講師:潟Zルタン 常務取締役 田波幸子氏
2.討論@「講義を聴いて学んだこと」「社会・会社への期待と不安について」
3.討論A「働くということはどういうことか」「どのような社会人になりたいか」


「中小企業で働くということはどういうことか」というお話がありました。その中で一番印象に残ったのが「中小企業は大企業と違い“ヒト、モノ、カネ、情報“が少ない。ならば、”知恵“を使え」という言葉でした。
大企業だろうと、中小企業だろうと知恵を絞ることにハンディはありません。考えることはタダですので、少しでも会社の戦力になれるよう、日々頑張っていきたいと思います。「考える、整理する、話す、聞く、報告する、連絡する、相談する」という基本的な作業を、ひとつひとつ丁寧かつ迅速に行いたいです。


討論@では、私が挙げた“不安”が、他の参加者にとっては“期待”として挙げられるということがありました。不安と期待は表裏一体、要は気持ちの持ち様なのだと気が付きました。不安だと思って取り組んでいたらきっといい成果はでない、見方を変えて考えてみることが大事であると感じました。討論Aでは、働くということは「社会への恩返し」という結論に至りました。今回の震災を受けて、働けることのありがたみ、普通の生活を送れることの大切さを感じ、普段の生活サイクルを回し続けていくことが社会の一員となることなのではないかと思いました。


今回の震災で、仕事がなくなった方、内定が取り消しになった方が私の周りにもいます。そんな中、このような研修に参加させて頂けたこと、大変感謝しております。
私自身、福島出身ということもあって、働くことに対して少しネガティブ思考になっていた面がありました。
しかし、今回研修に参加させて頂いて、仕事に対する気持ちや姿勢を前向きなものへ変える事ができました。できる仕事はまだまだ少ないですが、目の前にある仕事・任された仕事は確実にこなし、一日でも早く会社の戦力となれるよう頑張ります。

実践あるのみ!失敗を恐れずにどんどんチャレンジしていきます。
皆様どうぞ厳しくご指導の程、宜しくお願いいたします。


                                                                    新百合ヶ丘店 研修生 皆川あゆみ

posted by アーバンの太郎と花子たち at 15:49| 2011 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月06日

Vol.57

3月に国交省の主催で賃貸管理業界団体に対して、管理業者登録制度についての説明会がありました。
この制度は、今のところ法律ではなく、国交省が告示で行う、あくまでも任意の登録制度になります。そのため、登録をしなければ賃貸管理業を行えないというものではなく、登録するかしないかは、全くの自由になります。

今までは賃貸管理業に対する規制法がないため、野放し状態になっており、業者の倒産による預かり賃料の保護・敷金の返還・滞納賃料の督促トラブル等が消費者との間で社会的な問題になっていました。

そこで、当初は管理業を営む者は原則登録制にし、違反行為に対しては登録取り消し、刑事罰等の強制手段が考えられていました。
しかし、不動産業界自体、会社の規模も幅広く(従業員10人以下が98%)登録を条件とすると、社内のコンプライアンスの未整備、管理業務体制の不整備、有資格者不足等により、かえって混乱するという意見が多く、政治的決着から現在のような「任意登録」になったわけです。しかも、任意であるにかかわらず登録すると、違反行為には勧告、登録抹消等がある為、あえて任意登録制度を選択するメリットが少なくなっています。登録しなくとも管理業が営業できる事になり、その実効性に疑問もあります。

これは通称「追い出し規制法案:賃借人の居住の安定を確保する為の家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取り立ての規制等に関する法律」と連動していたもので、昨年11月に参議院を反対ゼロで可決し年内成立を見込んでいましたが、混迷国会のあおりを受け衆議院の議決が延び延びになっていました。年内には成立すると思われますが、国交省では告示で、とりあえず事務レベルでの作業を進めるものです。先の法律が成立すると、賃料の滞納者への違法な督促行為等も勧告や登録抹消の対象になりますので、業務の適正化、法の順守は当然のことながら企業存続のかなめになります。

告示での登録要件は、「契約更新事務」「家賃集金」「契約終了事務」のいずれか1つでも業として行っている者で、これを「基幹事務」と定義しています。つまり、通常不動産業者や個人が行っている業務がすべて規制対象になります。

現在では法人はもちろん、個人でも登録可能です。管理戸数・宅建免許等の有無・特定の資格保有者の有無、などといった条件は無く、いわば望んだのであればほとんどの者が登録できるとも言えます。当初予定よりも登録のハードルを下げることで、登録者の数を増やしたいという意図もあるようです。そのため、今のところ登録されている業者だから優良業者という意味には直結しにくいと思います。かなり適当な(失礼!)管理業者であっても、登録は簡単にできそうです。

任意の登録制度であるため、登録することによって、このように業務をしなければならないといった、業務面で強制力をもった指導要綱の類はそれほど多くなく、説明会を聞いている限り、当社の実務面で大きく変わる部分は無いと思います。
準則では次の業務がポイントになると思われます。

1.オーナーや賃借人と管理契約や賃貸借契約を締結する場合、
@事前に一定の事項が記載された書面を交付する。
A管理替えの場合においては、既存入居者に対しても同様に一定の事項が記載された書面が必要になる。


2.自己資産と敷金等の預かり金は分別管理すること。但し、分別管理とは必ずしも別口座でということではなく、内訳が明確に区分できるよう帳簿等で管理するといった程度です。

3.敷金精算時に、入居者負担があるのであれば、その内訳を書面で交付する。
※これは、ほとんどの業者がしており、追認の意味かもしれません。


4.国交省に毎年1回、「業務状況および財産の分別管理状況の報告書」を提出する。
※契約金を受領した場合、どのように区分し保管・送金・返金するかのフローチャートです。当社のように「預り金保証制度」に加入している場合はその保全措置も報告することになります。
 
5.賃借人やオーナーから求められた場合、前記の「業務状況および財産の分別管理状況の報告書」を閲覧させなければならない。
国交省に提出する報告書では「管理受託件数」「委託賃貸人数」「受託棟数」「受託戸数」「受託契約金額」「従業員数」を記載する欄があり、しかも入居者からの要求があれば閲覧させなければならないとあり、これが登録を躊躇する原因にもなりかねません。

法の未整備と相まって、賃貸管理業に対する規制や準則がないため、種々の混乱がありましたが、不充分ながら第一歩を踏み出した意義は大きいといえます。

当面任意登録とは言え、全国的に周知するようになれば、入居者側から業者選択の要素となりうると思いますし、それが貸主様への大きなメリットを提供できるのではないかと考えられます。
中でも評価できるのは、業務準則第23条で「従業員の研修」をあえて挙げている点です。
その趣旨は反面、如何に専門的知識が求められているかという事になります。

条文では「・・・管理の適切な処理を図る為必要な研修を受けさせなければならない」とあり、従業員の自主性に任せるだけでなく、経営側としても「積極的に」研修の場を設け、スキルのアップに努めなければならないという事です。
業務に関連する資格としては唯一、「賃貸不動産経営管理士」がありますが、将来資格の充実を図るとともに、業務を行う以上、この有資格者の常駐を求めるものと考えらえます。

当社では既に27名の有資格者がおりますが、建築士、ファイナンシャルプランナー、インテリアコーディネーターの関連資格も積極的に取得するように指導しています。
賃貸管理業を標榜する以上、法の条文で明確にするまでも無く、社員のレベルアップは重要な経営課題と考えております。 

                                                                         社長  三戸部 啓之

posted by アーバンの太郎と花子たち at 15:32| 2011 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月19日

vol.56

【災害時対応と東北地方太平洋沖地震による管理物件被害状況の報告】                  
 

先の「東北地方太平洋沖地震」では、未曽有の人的・物的被害が発生しました。
その復旧には10年以上要すると言われ、福島第一原発の放射能汚染による避難地域拡大と相まって、日本経済に大きな影響を与えています。今回のような地震・津波・原発とトリプル同時多発災害はそれぞれ対策が異なる為、危機管理上根本的対策の見直しが必要になります。


どこでも災害時には「BCP(事業継続計画)」の重要性が再確認されていますが、当社では、対策本部を設置するようになっています。
その内容としては、アフター課を中心に各拠点で社員の安否確認→各拠点リーダー及び出勤可能な社員(出勤経路の把握)の確認→入居者からの電話受付(クレーム対応)、建物巡回等を手分けして行う手順になっています。


今回の地震については、営業時間中に発生したもので、各拠点での対応については比較的順調に行われたと思います。ただこのシステムについては、私たち社員が被災にあっていないことが前提で、マグニチュード9の直下型地震が直撃したら、管理会社として何をどこまでできるかを考えさせられました。

今回の地震発生時に予想がつかなかったのが、電話・メール・FAX等がほとんど繋がらないことでした。おそらくオーナー様・入居者様においても当社に連絡したくても連絡できなかった方が多数いたのではないかと思います。

被害の状況として、発生直後は、地震、停電によるエレベーターの停止、マイコンメーターの作動によるガスの供給停止のお問い合わせが多くアフター課及び各拠点受付チームにて対応しました。マイコンメーターの復旧につては地震発生から2日間で約70件近くのお問い合わせがありましたが、ほとんど電話対応で復旧していただきました。しかし何件かは年配の方の為、ご理解いただけず当社エリア担当が出向き復旧しました。エレベーターについては、契約メンテナンス会社において、地震発生直後から順次復旧作業に当たってもらい2日間でほぼ完了しました。入居者様については、最小限でのご迷惑で抑えられたのではないでしょうか。一部メーカー系のメンテナンス会社においては、公共施設、病院を優先する関係で、多少日数がかかってしまったものもありました。また一部マンション等でオートロック対応の物件につきましては、各拠点より「開閉をフリーの状態にしておくよう」掲示板等に入居者のご協力を呼びかけました。

今後も計画停電による機器停止の状況があるかと思いますが、万全の体制で臨んでいきたいと思います。
入居者様にとってライフラインの崩壊は致命的なものになります。今回の地震で給水設備関係の被害がほとんどなかったことは管理会社として「ほっと」しているところです。

給水ポンプ及びユニットの破損等が起きた場合には、多数の入居者様にご迷惑をかける事になってしまい復旧にも時間がかかります。計画停電で給水ポンプの停止という事態も十分考えられます。その対応にも十分注意を払いまた給水・給湯設備の保守・点検については、今後オーナー様にもご協力いただくことになると思います。


地震発生後、アフター課、各拠点により目視により物件の巡回を行い異常が認められた時には、都度オーナー様に被害状況の報告をおこなってきました。
何人かのオーナー様は、地震直後ご自分で被害状況を確認し把握されており、改修工事をすでに施工会社に依頼済み、または当社に依頼をされています。
今回 横浜・川崎エリアで震度5の地震でしたが、当社管理物件の建物被害状況は、構造により格差がありました。

➀木造
・瓦の落下、ずれ            
・壁、天井のボードのずれ
・ボードのずれによるクロスのやぶれ   
・建具のゆがみ
・給水管のずれによる漏水
1.JPG       2.JPG
(瓦のずれ、崩落)M邸           (天井ボードのずれ)Y邸
※カラーベストの屋根、サイディングの外壁のものは、ほとんど被害がでていない。
   瓦の屋根のものについては、確認できないずれ等もあり(隠れた被害)今後雨漏りの被害が予想される。

A鉄骨(軽量鉄骨)
・外壁(ALC等)のずれ、ヒビ割れ、脱落  
・タイルの脱落・うき
・壁、天井のボードのずれ          
・ボードのずれによるクロスのやぶれ
・外構、土間(外廊下・エントラン等)部分の隆起、陥没によるヒビ割れ
・化粧モルタル部分のヒビ割れ、はがれ   
・建具のゆがみ

3.JPG              4.JPG
(ALCのずれによるタイルの割れ)      (竪樋のずれ)    Sハイツ
(モルタル仕上げ部分のヒビ割れ)    


5.JPG                 6.JPG
(外壁パネルのずれ)第2Cハウス        (タイルのはがれ、うき)Yビル
※ 今回の地震では、構造上揺れる事により衝撃を緩和するため倒壊する可能性は低いが、外壁材・内装のパネルの歪みによる被害が最も多かった

➂RC(鉄筋コンクリート)造
・タイルの脱落・うき
・外構、土間(外廊下・エントラン等)部分の隆起、陥没によるヒビ割れ
・建具のゆがみ
・外構、土間(外廊下・エントラン等)部分の隆起、陥没によるヒビ割れ
・ 化粧モルタル部分のヒビ割れ、はがれ
7.JPG        8.JPG        
外構に引っ張られ割れたタイル)       (外構部分が沈みできたヒビ割れ) SOT 

9.JPG
(外構部分が沈みできた段差)
※建物自体の被害はほとんどなかったが、基礎(杭)から外れた外構部分の隆起、陥没による被害が見受けられた。


その他、共通項目として、今回の地震による給排水による漏水被害は、木造で1件発生しているが、10年を経過している他の構造建物においてもずれている可能性が高く(隠れた被害)注意を必要とします。
又入居者とのトラブルによる賠償責任問題が出てますので、それらの予防法務も貸主様、管理会社の対策の一つになります。
                                                                           アフター課 長谷川 秀弘

posted by アーバンの太郎と花子たち at 11:23| 2011 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月21日

vol.55

【 「賃料滞納の対処と明渡し訴訟」の必要性 】


賃料滞納の対処と明渡しの実務講座での要旨と、賃料滞納者に関し、管理会社及び
家主様が今後どのような流れで対応していけば良いかまとめてみました。


● 先ずは、基本的に入居申込の段階から見極める
基本的に審査は提出書類を確認し行います。
入居申込書・所得証明(源泉徴収票)・住民票(本籍記載)・身分証明書(本籍記載)連帯保証人の印鑑証明・連帯保証人意思確認及び連帯承認の契約書(承諾書)への捺印。
(上記住民票や身分証明書に本籍記載としてあるのは、昨今本籍記載が個人情報保護等の理由により記載しない場合が多くなっておりますし、提出に強制力は有りませんが、万が一、入居者が所在不明になった際に本籍を基に滞納者本人や連帯保証人、親族にたどり着く可能性が一段と高くなるためです)

又、上記書類は契約書と共に訴訟に入る際に必要不可欠の書類となっています。
特に重要なのは、連帯保証人の意思確認・印鑑証明の提出です。万が一滞納が始まった際に、知らない・聞いていない等の対応を減らすためです。又、確認の日時も控えておくことも重要です。


● 万が一滞納が始まってしまったら
催促は翌日から行う。2年間の賃貸借契約を結んでいて、2年分の家賃を一括ではなく、毎月の支払にしてあげて契約している。一日でも期日を遅れたら、催促するのが当たり前の気持ちで行動する。確かに心情的には一日くらいと思いますが、全てにおいて最初が肝心です。勿論、入金予定日の翌日から強気で話をしたら心証が悪くなり、入居者との関係も悪くなるかもしれませんが、催促を忘れ、本人も言われない事をいいことに連絡・入金もせず、気付くと滞納額が莫大に膨らみ返済出来ない確立が一段と高くなるからです。
そして、連帯保証人への確認も不可欠です。又催告時には、「○○さんの連帯保証人でおられる○○さんですよね?等」、先に滞納の事実を確認・説明するのではなく、連帯保証人で有ることを再確認する。先に滞納の事実を告げると、書類を提出していても関係ない、勝手に印鑑を押したとか、知らない一点張りの答えになる事がある。揚げ足取りの方法かもしれないが、一つの手段になります。
但し、金融庁の事務ガイドラインによれば下記記載内容は規制対象になりますので、絶対にやめる必要があります。
・暴力的な態度を取ること・大声をあげたり、乱暴な言葉を使ったりすること。
・反復継続して、電話をかけ、電報を送達し、電子メールを送信し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者、保証人等の居宅を訪問する事。
・債務者、保証人等の居宅を訪問し、債務者、保証人等から退去を求められたにも関わらず、長時間居座ること。


● 契約解除⇒明渡し訴訟へ
催告を続けたが、支払う意思(資金力)がないと判断した場合は明渡しに向けて準備に入ります。本来は、支払督促も手段として考えられますが、常習滞納者への法的手段としては難しいかと思います。
基本的な手続きの流れは途中まで一緒ですが、結審したとしても、相手の支払意思の問題だけで、資金力がある方なら問題ないかと思いますが、殆どの滞納者が資金力の低下が滞納の原因だからです。資金力の無い方に、いくら支払催促しても無駄なのです。一日も早く他のお客様に物件へ入居して頂く為には、やはり明渡し訴訟を行う事が損失を最小限に抑え効果的です。
そして滞納金額が3カ月以上なってしまったら、配達証明付内容証明郵便にて催告する。
滞納金額及び支払期日(一定の期間を要して入金が無い場合は契約を解除する旨)を明記し、郵送する。内容証明郵便は規定があり、個人で作成も出来ますが、記載内容にも確認が必要な為、専門家に確認される事をお勧め致します。又、配達証明を付けることにより、何時配達完了したのか、記した書類が差出人に送られてきますので、裁判の際に証拠として提出出来ます。
滞納者が内容証明郵便を受領し、且つ期日までに入金(全額)の確認が出来ない場合は、契約が解除となります。
この手続きの途中に滞納者が自主的に退去(連絡)和解等有ればまだ良いですが、ここまでのやり取りになる方は大半が連絡は有りません。
賃貸借契約を解除すれば、借主が物件を使用する権限はなくなりますので、不法占拠ということになります。しかし、明渡しなどの実力行使は法律による手続きが原則です。

法的手段をもちいずに、荷物の搬出・鍵の交換・ライフラインの停止などをしてしまいますと、法的に問題となる「自力救済」とみなされます。
今、それが社会問題にもなっています。心情的には家賃を滞納していますので、「何をしてでも」という気持ちもわかります。但し、このような行為に対しては、民事上では損害賠償や慰謝料請求、刑事上では住居侵入、窃盗罪、器物損壊罪などに問われる事もあり、ましては、途中まで法的手段を取っていた場合、それまでの行為が全て無駄になる恐れがあります。又、特約を結んでいるからと言われる方もおられるかもしれませんが法的に無効になる特約ですので、充分にご注意ください。


● 契約書上無効とされる特約
・当然解除特約
 (例)賃料滞納が2カ月以上になった場合には、賃貸人は催告することなく、又、解約通知をしなくても、当然契約は解除となるものとする等
・賃料不払い時の立入承諾特約
(例)賃料滞納時に「賃貸人は物件内に立ち入ることが出来る」「動産類を搬出できる」「鍵の交換をする事が出来る等」


● そして明渡しの強制執行へ移ります
依頼をする弁護士等により異なりますが、裁判費用から強制執行迄含めると費用として約70万円から100万円程度かかります。そして、それまでの滞納金額を合わせると更に金額はあがります。そこまでしてかと思うかもしれませんが、何もしないで、期間が延びるほど、滞納が含むばかりで、マイナス要因ばかりですので毅然とした対応及び、法的手段が不可欠です。
そして、そのマイナス要因を少なくするために管理会社として申込の段階から、審査・意思確認・書類提出等の徹底・一日でも遅れたら確認、督促(督促時には必ずメモや記録を残し家主様のリスクを軽減できるよう努めなければならない)と改めて実感致しました。


● 管理会社をお持ちでない方は、通帳記載をまめにし、滞納を確認したら、若しくは連絡が途絶えたら専門家に相談・滞納金額が2カ月を超えたら、明渡し訴訟の検討及び準備を(専門家に相談)して頂くようお勧め致します。                
                                                                                                        センター南店 田原 義靖

posted by アーバンの太郎と花子たち at 11:19| 2011 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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